7.スゲ込の加工

「3.切組」の中の図面で、手元上と握りの接続部分が今回説明するスゲ込部分となります。

先ずは下の写真、スゲ込部分を丸く削ります。

写真は既にスゲ込部分を削った後の写真ですが、青いテープを巻いた部分まで、手元の竹を差し込みます。

従って、

先ずテープの位置の外径を測ります。 

この竹では13㎜ですので、

 

テープの位置から下を、外径13㎜になるまで全体に丸く平行に削ります。

それが終わりましたら、

 

手元材のこの部分に錐を入れて内径を13㎜に削りますので、その際に竹が割れない様、外側を凧糸で仮補強します。

 

そして錐で穴を開けます。

注)手元の竹の穴の内径が、差し込む側の外径より大きい場合は、「入れ子」といって別な竹を中に接着し内径を小さくし、その後穴を開けます。

 

更に丸ヤスリで内側を調整しながら、

 

手元上が所定の位置に入る様に削ります。

上の写真が納まった状態です。 これでスゲ込部分の内径・外径合わせはOKです。

これが出来たら、補強に巻いた凧糸を外し手元の竹の外径の整形を行います。

現状の手元の竹の厚さを計測すると、

 

上の写真で判るように、今この竹の厚さは約2㎜あります。 この外側をヤスリで斜めに削っていきます。

 

写真で手の写っている左側(親指の辺り)は現状の太さで、先端に行くほど細く斜めに削っていきます。

 

先ほどの物が、上の写真のように厚さ1㎜以下になりました。 この部分は出来るだけ薄くした方がシャープで綺麗に見えますので、1㎜以下に削るようにしてください。

スゲ口先端部分は、この状態では全く強度が有りません。 たとえこれが1㎜以上あったとしても、強度的にはさほど変わりは有りません。 強度を出すためにこの部分は絹糸を巻き漆を塗る事で実用に耐えられる強度に上げるのです。 従いましてここではあくまで美しさを優先します。

但し、削る時に力を入れ過ぎると竹が潰れて割れてしまいますので、その点には注意してください。 内側に内径に合う竹を入れてから削っている方もいますが、慣れるまではその方が良いかと思います。 

 

上記写真で完成です。

削り・整形が完了したら、絹糸を巻いた時に糸がずれないように(食付きが良い様)、横方向に荒い紙やすり#100程度で竹の表面に傷をつけて完了です。 写真横方向にヤスリ目が入っているのが判るでしょうか?